自筆遺言と公正証書遺言の選択の目安は?
公正証書遺言と自筆遺言には、つぎのような違いがあります。
公正証書遺言 | 自筆遺言 | |
---|---|---|
書く人 | 公証人が本人の口述を筆記 | 本人 |
費用 | 必要 | 作成時は不要 ただし、検認のときにかかる |
証人 | 2名必要 | 不要 |
書類 | 戸籍謄本・評価証明・印鑑証明等 | 作成時は不要 ただし、検認のときに戸籍等が必要 |
検認の必要 | 不要 | 必要 |
法的完成度 | 完全 | 不備が多い |
作成の手間 |
公証役場にでかけたり書類を集めたりという意味では面倒だが、専門家が法的にまちがいのない文章を考えてくれるので、その意味では楽
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思ったときに、自分だけで作れるという意味では簡便だだが、内容を法的に間違いなく書くというのは、なかなか大変
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遺言の保管者 | 公証役場、本人、遺産執行者等 | 本人、又は適宜の人 |
当センターでは以下の理由から公正証書遺言をお勧めします。
理由1
自筆遺言は、作成時は確かに簡便で、費用もかからないのですが、遺言者の死亡後に検認を受けることが効力の条件ですので、結局、検認のときに、相続人が裁判所に呼び出されたり、必要書類をそろえたり等の手間暇がかかるのと、専門家に申立て手続きを依頼すれば、費用もかかります。
理由2
自筆遺言は、法律が定める作成要件を満たしていなければ、効力を生じません。
実際には、この要件を満たしていない遺言書が結構あり(たとえば、相続させる財産やもらう人の特定が不十分等)、せっかく遺言を書いても、役に立たないということになってしまいます。
その点、公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が作成するので、そのような心配はまったくありません。